日本の伝統構法は、飛鳥時代以前から培われ、安土桃山時代に一様の完成をみたと言われています。 大陸の技術を取り入れつつ、日本の風土に合わせて育まれた伝統建築、その最大の特徴は、金属の使用を最小限に抑え、木で木を締める「木組み」の技法にあります。そしてその中で最古にして最高傑作と言えるのが、奈良、斑鳩の法隆寺。この寺の堂塔に注がれた、職人たちの優れた知恵と技は、千三百年という歴史が証明しています。 |
伝統構法の良さは、なんと言っても「木組み」にあります。特に雪国新潟では、地元の粘り強い木を組み、雪の重さに耐える丈夫な家を作らなくてはいけない。そのためには、大工が木のことをちゃんと知っておかなくてはならない。「木のクセを読む」と言いますが、その通りで、2・3年かけて乾かした木でも、年を経るごとに反りが出てくる。それを想定しながら、知恵を絞って木材を組んでいく、そこに伝統構法の醍醐味があると言えます。
ダイナミックな空間、それは「木」一本一本の個性が発揮された時、はじめて生まれます。 まず、家をつくるにあたり、住まい手、設計者、大工の三者で「徹底的」に打合せをします。住む人あっての家づくりですから、施主さんの要望は出来る限り全て取り入れ、その実現のために設計者と大工は知恵を絞ります。無茶な希望があれば、ここできちんと説明して納得してもらいます。このプロセスを三者が一緒に歩むことで、施主さんには、設計者と大工の考え方や技量が自然と伝わって行きます。 |